4. 『終わらぬ「民族浄化」セルビア・モンテネグロ』木村元彦著
報道されることのない3000人の行方不明者コソボ空爆後の六年間を渾身ルポルタージュ！
コソボ空爆後、現地で何が起きていたのか？
ノーベル文学賞作家　ペーター・ハントケ（『ベルリン天使の誌』脚本家）との対話を収録！

『終わらぬ「民族浄化」セルビア・モンテネグロ』木村元彦著

販売価格
946円（税込み）
JANコード
9784087202977

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「当時NATOの空爆反対の発言をヨーロッパですることは、想像を絶するバッシングを受けることを意味した。（中略）事実、ハントケは孤立していた。西側のジャーナリズムから数限りない集中砲火を浴びた。殺人鬼ミロシュビッチの手先などというレッテルを貼られー」（本文より）

「語り部がいなくなっては　人間は幼少時代がなくなってしまう」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー『ベルリン天使の詩』の一部

1999年のNATO軍の空爆により、コソボ紛争は公式には「終結」したことになっている。しかし現地では、セルビア系の民間人が3000人規模で行方不明になるなど、空爆前とは違った形で「民族浄化」が続き、住民たちは想像を絶する人権侵害の危機にさらされている。また、空爆による劣化ウラン弾の被害は甚大で、すべての回収には100年を要するという。
　本書は、空爆終了後六年間にわたって現地に通い続けた唯一のジャーナリストが、9.11やイラク戦争の開始以降ほとんど報道が途絶えてしまったセルビア・モンテネグロの現状を告発した、渾身のルポルタージュである。


著者紹介 ：

木村元彦（きむら・ゆきひこ）
1962年愛知県生まれ。中央大学文学部卒。ノンフィクション・ライター、ビデオ・ジャーナリスト。疾走プロダクションを経てフリーに。アジア・東欧の先住民族問題を中心に、「Number」や「PLAYBOY」などに数多くの記事を寄稿。著書に『誇りードラガン・ストイコビッチの軌跡』『悪者見参ーユーゴスラビアサッカー戦記』など。


目次：
まえがき
旧ユーゴスラビア全図

第1章　大コソボ主義（2001年～2002年）
1.消えた1300人―セルビア人拉致被害者たち
ニュースにならないNATO空爆後の現状／消えた息子／1300人協会／レスニックの難民キャンプ／グロッカの難民キャンプ
2.真っ先に見た事務局長
開示された死のリスト／コソボの赤ひげの失踪／UNMIKへの陳情
3.コソボへ
州都プリシュティナ／元KLA兵士の告白－セルビア人拉致と英雄主義
4.マケドニア潜入行
マケドニアへ火薬が飛んできた／スコピエのセルビア人難民／憲法改正とマケドニア／ネブレシュティヌ村にて―戦闘との接近遭遇／大コソボ主義とKLA

第2章　混迷の中で（2002年）
1.劣化ウランとユーゴスラビアの核
英雄イリッチの不安／ピンチャ原子力研究所―回収に100年近くかかるでしょう
2.10月革命の裏側
2000年10月5日に何が起こったか／示唆されたCIAの関与／セルビア王女の帰還／ボイボディナの意思

第3章　セルビア・モンテネグロの誕生（2003年）
1.新憲章発布とモンテネグロ
ユーゴスラビアからセルビア・モンテネグロへ／モンテネグロの首都の声／新憲章草案者
2.新憲章発布とコソボ
セルビア最南端の町／プリシュティナの「KMDLMJ（人権と自由の擁護会議）」／コソボはもう独立している？／極右民族派の象徴
3.誰がジンジッチを殺したのか
セルビア共和国首相暗殺の背景／デヤン・ダムヤノビッチ－もう一人の英雄の悔恨／ハーグ戦犯法廷の不当性を追求する「スロボダ」
4.ボスニア・ヘルツェゴビナ
RS（Republika Srpska）のセルビア難民の惨状／連動する麻薬問題－コソボ発ボスニア経由、西欧行き
5.少年が殺された
セルビア人少年の死／少年の父との対話

終章　語り部（2004年10月）
コソボ紛争終結後、最悪の暴動／スミリャネ―「民族浄化」された村にて
1300人協会の名称変更／ペーター・ハントケとの対話

柴宜弘教授との対話－あとがきにかえて

ユーゴスラビアとセルビア・モンテネグロに関する年表


発行年月日：2005/06/22
判型：新書
ページ数：254ページ
サイズ：18cm



カテゴリー
○ culture / 土地と歴史
メーカー
集英社新書
ブランド
木村元彦著
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